台北市立啓聡学校と専攻科の交流
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11月7日、本校に台北市立啓聡学校高等部の生徒が来校し、専攻科の生徒たちとの交流会が行われました。
初めての対面ということもあり、はじめのうちはお互いに緊張した様子でしたが、スマートフォンの翻訳アプリを使って互いの趣味について話をしたり、手話を教え合ったりするうちに次第に笑顔が増え、穏やかな雰囲気の中で交流を楽しむ様子が見られました。


本校と台北市立啓聡学校との交流は、2016年に始まりました。当初は、専攻科の学習内容を劇形式で紹介するオンライン交流からスタートし、翌2017年には台湾南部の国立台南大学附属啓聡学校との交流も加わりました。同年12月には、第1回台湾研修旅行として両校を訪問し、対面での交流を深めました。
2018年には、台北校・台南校と本校との間で芸術作品の交流展「日台聾学校美術交流展」が開催されました。同年12月には第2回台湾研修旅行が実施され、再び台北市立啓聡学校を訪問。造形芸術科の生徒が制作したポップアップカードをお土産として持参し、交流を行いました。
2020年以降は、コロナ禍の影響を受けながらもオンラインによる作品交流やデータ提供を通して連携を続けてきました。現在も、両校の生徒作品が並ぶ交流展は、造形芸術科の恒例行事として定着しています。
今年度4月からは、台北市立啓聡学校の高等部生徒と専攻科生徒が英語で交流する機会を得ました。専攻科の教養英語の授業では、自己紹介や日本文化の紹介などを英語で行い、互いにメッセージや写真を通してやり取りを重ねてきました。


互いの紹介を終えると、台北市立啓聡学校の生徒たちが手話歌を披露してくださいました。丁寧にそろった手の動きと豊かな表情から、歌詞や想いが伝わってくるようで、会場は温かな空気に包まれました。
次に、作品交流として、記念オブジェを両校の生徒が協力して組み立てました。このオブジェは、台北市立啓聡学校の生徒がデザインし、レーザーカッターで切り抜き、持参してくださいました。


オブジェには生徒たちが描いたイラストと両校の校章などが施されており、それぞれのデザインが異なる一点物です。心のこもった、思い出に残るひとときとなりました。


専攻科生徒は、日本文化を紹介する活動として「駄菓子屋体験」を企画しました。色とりどりの駄菓子を前に、あちらこちらで笑顔や会話が生まれ、自然と心の距離が近づいていく様子が印象的でした。楽しみながら文化を共有できる貴重な時間となりました。


その後、ビジネス情報科の演習室と造形芸術科の実習室を見学していただきました。


最後に、造形芸術科の生徒とともに造形活動を通じた交流を行いました。生徒たちは同じモチーフを見ながら、色紙に墨汁で濃淡をつけて描き、仕上げに千代紙をちぎって飾り付けを行いました。墨の香りや和紙の手ざわりを感じながら、それぞれが集中して筆を進め、日本の伝統的な素材に触れる貴重な時間となりました。


交流を終えた生徒からは、
「最初はどう話したらいいのか不安だったけれど、スマートフォンの翻訳アプリでたくさんお話ができて安心し、とても楽しかった。」
「日本と台湾の共通の手話があって、おもしろかった。」
「コミュニケーションをたくさんとることができて楽しかった。」
「あっという間に交流が終わってしまって、もっと時間が欲しいと思った。」
といった感想が寄せられました。
今回の交流は、互いの文化や心を理解し合う貴重な機会となり、言葉を越えたつながりの大切さを改めて感じる時間となりました。今後も専攻科では、国際交流を通して多様な価値観に触れ、授業だけでは得られない深い学びや気づきを育んでいきたいと考えています。
このような貴重な機会を与えてくださった関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。
※本文中では、フォントの関係で一部の漢字が正しく表示されない場合があるため、学校名は「台北市立啓聡学校」と表記しています。正式名称は「臺北市立啟聰學校」です。



