この50年の大きな出来事 情報ネットワークの整備

※創立150周年記念誌より抜粋・要約

執筆者の本校元教務主任の竹村先生は、附属聾学校における情報ネットワーク整備の黎明期からその発展に尽力されました。インターネット時代の到来とともに、1997(平成9)年、本校のホームページを開設。当時はFAX回線をISDNに切り替え、ODNと契約するなど、まだ普及前のインターネットを教育現場に導入する先駆的な取り組みでした。トップページは教務が、各部ページは情報ネットワーク整備推進委員が作成し、入学試験の合格発表をインターネットで実施するなど画期的な試みも行われました。
1999(平成11)年には、大学と連携して専用回線とFreeBSDのサーバを設置。竹村先生はサーバ構築を一から学び、メールアドレスの発行やLAN整備を進めました。アカウント名の文字制限やセキュリティ管理も工夫を凝らし、教職員や必要な生徒にメール環境を提供。2004年までに校内LANが整い、校内サーバによるホームページ運営が開始されました
サーバ更新によりメーリングリストや一斉配信も可能となり、2005(平成17)年には光回線化、2008年にはサーバ管理をホスティングサービスに移行。専門外の教職員の負担を軽減し、セキュリティも強化されました。2009(平成21)年には、校内LANを利用した緊急文字配信システムが導入され、避難情報などを視覚的に提供する体制が整えられました。
また、竹村先生は式典における字幕情報提供にも尽力され、1998(平成10)年度からアナログ方式で情報保障を開始。定年後の再雇用面接では、字幕表示のデジタル化と校内データ共有化を提案。2010年度には字幕システムがハイビジョン対応に改良され、翌年の卒業式から運用が開始されました。
近年はGIGAスクール構想によりネットワークや端末の整備が進みましたが、その基盤を築いた竹村先生の取り組みは、まさに情報化の礎であったといえます。