
特別支援平成11年度 第36回全国聾学校陸上競技大会 主管
※創立150周年記念誌より抜粋・要約
全国聾学校体育連盟は昭和38年に設立され、令和6年現在までに61回の体育大会(陸上競技・卓球)を開催してきました。当初は関東地区が中心となって運営されていましたが、第3回大会からは全国各地を巡る主管校方式が採用され、半世紀以上にわたり維持されてきました。近年は加盟校や生徒数の減少により、令和5年度からは地区主管方式へと移行しています。開催時期は例年、陸上が10月上旬、卓球が11月上旬に定着していますが、進路選択を控えた高等部3年生への配慮から、時期の見直しを求める声もあるとのことです。
筆者である中学部主事の荒川先生は、本校が主管した平成11年当時を振り返りながら、大会の規模や運営体制の変遷を紹介しています。当時は加盟校50数校、登録選手約1000名と大規模で、主管の機会は25年に1度とも言われていました。大会運営のノウハウが各校に蓄積されにくいため、前年度の主管校との連携や地域協力が不可欠であり、競技運営には各種競技協会の協力を得て、ルールを厳正に守る方針が取られました。また、財政面では競輪公益資金の援助や、地元企業からの協賛金によって支えられていたそうです。
本校では大会開催の3年前から事務局を立ち上げ、高等部体育科を中心に準備を進め、校内の教職員全体が役割を担いました。寄宿舎指導員や幼稚部・小学部教員、生徒や保護者も協力し、全校体制での大会運営が行われました。会場となった千葉県総合運動場では、大学の陸上部学生や千葉陸上競技協会の支援を受け、立て看板やポスター、記念バッジなどは専攻科造形芸術科の生徒が制作し、大会を盛り上げました。
平成11年10月の大会では全国52校・299名が参加し、模範試技や本校選手の活躍などが印象的な大会となりました。大会後にはモノレール駅前に残されたごみを回収するエピソードもあり、地域への配慮の重要性も語られています。最後に、荒川先生は、令和6年現在も記録保持者として名を残す卒業生の存在に触れ、本校体育教育の成果と意義を改めて示しています。