一雨毎に春らしくなり、とうとう卒業式を迎えました。本日、平成28年度の卒業式を皆さんと共に迎えられたことを、大変嬉しく思います。
小学部卒業生13名、中学部卒業生14名、高等部普通科卒業生24名、専攻科修了生10名の皆さん、ご卒業および修了おめでとうございます。
ご家族の皆様方は、成長されたお子さん達をごらんになり、どのような思いでしょうか。これまで共に歩んでこられた、その時々の思い出がひとつまたひとつと思い浮かんでくるのではないでしょうか。そして、成長された子ども達へのさらなる期待とともに、この場におられることと存じます。本校教職員一同、卒業および修了を心よりお祝い申し上げます。これまで、ご家族の皆様から、本校の教育や運営にお力添えをいただいたことにより、今日の日を迎えられました。改めて感謝申し上げます。
小学部、中学部、高等部をそれぞれ卒業し、さらにこの学校で勉学を重ねていく皆さん、今日は、皆さんの長い学校生活での大きな節目です。皆さんは自分一人で大きくなったわけではありません。保護者の方々が、皆さんが生まれたときから、努力を惜しまず、教育にかかわってきたこと、そして先生方の熱心なご指導、これらによって今日の日を迎えることができたのです。今の感謝の気持ちをしっかりと心に刻み、これからも前に向かって、歩み続けてほしいと思います。4月から皆さんは、また、新しい一歩を踏み出します。新たな学びの世界が皆さんの前に広がっています。この学びを通して皆さんはさらに大きく成長するでしょう。勉強以外にも皆さんが学ぶことはたくさんあります。友達や先生との信頼関係を築くこと、そして他のひとを思いやり、互いに支え合っていくこと、これらは、人生の中で、幸せに生き抜くために最も大切なことです。
さて、いよいよ本校を離れ、職業人あるいはさらなる勉学の道へと羽ばたいて行こうとしている皆さん。皆さんの心は、大きな期待に燃えつつも、一方では不安もあるでしょう。しかし、これまでの皆さんの努力やその成果を信じ、またさらなる可能性を信じ、それぞれの目標に向かって、前に進んで行ってほしいと思います。コミュニケーションは、まず相手を理解することから始めましょう。主張することも大切ですが、まずは相手の立場、視点に立った考え方や発想を大切にしてください。一般社会の中では、大きな壁にぶつかることも多いでしょう。しかし必ず乗り越える道があるはずです。長い人生、遠回りをすることもあって良いのです。結果がすぐに出なくても、忍耐し、練られた品性を磨きつつ、立派な社会人になってください。
今日、世界情勢は大きく変化しつつあります。グローバル時代に突入し、様々な国際的な課題にも直面しております。経済発展と地球環境の保全、格差社会、少子高齢化、移民や難民の増加。このような状況の中、本校でも英語教育を充実させるだけでなく、国際交流を積極的に推進していくことが重要となって参りました。
今年度、本校では、残念ながら生徒達をパリ聾学校に連れて行くことが出来ませんでしたが、スカイプを利用した交流を行うことができました。台湾や韓国の聾学校とも多くの交流活動を展開することができました。このように本校はグローバル時代に貢献できる人材育成に向かって着実に一歩一歩、歩んできております。本校はこれまで積み上げてきた貴重な教育的資産を継承しつつ、未来の聴覚障害教育を見据え、さらなる飛躍をめざしてゆきます。
最後になりましたが、大学を代表してご列席いただきました、本学副学長、石野利和先生をはじめ、ご列席賜りましたご来賓の皆様方、本日は誠にありがとうございました。これからも本校の教育に温かいご指導、ご支援を賜り、また、在校生、卒業生を見守り、育てて頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。
卒業生・修了生ひとりひとりの輝かしい未来をお祈りし、式辞といたします。
平成29年3月15日
筑波大学附属聴覚特別支援学校長 原島 恒夫
2017/03/15〜