高等部PTA見学会で筑波大学の
障害学生支援室を見学しました

10月2日(火)高等部PTA活動の一環として、筑波大学の障害学生支援室(Office for Students with Disabilities 通称OSD )を訪問しました。

毎年行われているPTA行事で、大学と企業の訪問を交互に繰り返しています。今年は大学を見学する年に当たり、障害学生たちへの情報支援で日本のトップレベルを誇る筑波大学を見学しました。当日は16名の保護者の皆さんが参加しました。

この日の訪問はOSDの青柳まゆみ先生に設定していただいた日程に従い、(1)青柳まゆみ先生の筑波大学におけるOSDの概要説明、(2)障害種別の各研究支援室の見学、(3)本校校長(筑波大学教授との兼任)の原島先生の大学院生に対する講義の見学、(4)有海先生による障害学生支援室の支援の概要説明、(5)聴覚障害学生との懇談、の順に進められました。筑波大学では直前に学会の開催もあったのですが、忙しい合間を縫って見学日程を調整していただきました。

OSDのオフィスは筑波大学の第2エリアA棟の中にありました。開放的で明るい雰囲気のオフィスで学生がいつでも気軽に相談に訪れることができるように配慮されていました。オフィスとは別に障害種別の各研究支援室があり、具体的な支援を担当しています。聴覚障害の研究支援室には貸し出し用のパソコンがたくさん準備されていました。支援を受ける学生がそれを持って講義室に行き、自らセットしておきます。そこにピア・チューターが来てパソコンテイクをし、講義が終わったら支援を受けた学生が自分で返却するという形をとっていました。全て支援に頼るのではなく、できる部分は自分たちで主体的に努力をするというのが筑波方式の基本的な精神としてありました。各研究支援室にはピア・チューターが待機し、障害の有無に関わらず、学生同士ともに良き話し相手となっている様子が伺えました。

原島先生の授業は、海外の論文(英文)を院生4名が順番に翻訳しながら読み込んでいくという内容でしたが、質問や意見がパソコンテイクによって学生の座る机の上の画面に映し出されます。集団での意見交換の際には次から次へと繰り出される質問や意見に聴覚障害学生は戸惑うことがありますが、こうした方法によって情報が混乱することなくディスカッションが円滑に進められていました。この授業では音声認識のパソコンテイクも併用されていました。

聴覚障害学生との懇談では、3名の学部生、院生が出席し、保護者の方からの質問に答えていただきました。どの学生も自分にあった支援を受けることができ楽しく学生生活を送っていると話していました。この間もピア・チューターの学生がずっとパソコンテイクをしていました。話し言葉をほぼ同時に文章化していくスキルの高さに驚かされました。ピア・チューターの学生にとっては、当然、緊張し疲労も蓄積するはずですが、これも勉強の一環です。キャリア教育を自ら積んだ者として大学から認定されることから、進んでピア・チューターになろうとする学生が多いと聞きました。

筑波大学の障害学生支援の質の高さは、ピア・チューターの養成に大学をあげて取り組んでいることで維持されていました。それが毎年引き継がれ、年々方法が洗練されていく様子を目の当たりにしました。また、支援を受ける学生の意識も高く、支援を受ける側も支援する側もともに人間的な成長を果たしているように見えました。そして、障害のある人に対する支援は、実は障害がない人にとってもありがたい事だと思うようになりました。講義の内容が様々な角度から提示されれば、より理解も深まるはずです。障害学生支援は実は日本の将来の学校教育を担う新しい試みなのではないのか。そんなことも考えながら筑波を後にしました。


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