平成24年3月15日(木)、第34回の卒業式が行われました。小学部・中学部・高等部(普通科・専攻科)あわせて66名の児童生徒が宮本信也校長から卒業証書・修了証書を授与されました。
学校長の式辞
いつもより寒さの厳しかった冬も終わり、今日、みなさんと一緒に平成23年度の卒業式を迎えられたことを心からうれしく、また、ありがたいことと思います。小学部卒業生13名、中学部卒業生15名、高等部普通科卒業生25名、専攻科修了生13名のみなさん、卒業ならびに修了おめでとうございます。
卒業生・修了生のご家族の皆様方、本日は本当におめでとうございます。今、皆様のお子さんたちは、ほどよく張り詰めた気持ちと晴れがましい想いを胸にこの場に望んでいます。その姿をご覧になり、これまでの12年間、15年間、18年間、そして20年以上に渡りお子さんと一緒に歩んでこられた毎日が思い出されていることと推察いたします。今日の日は、皆様とお子さんたちが、ご自分たちの歩みを誇りに思ってよい記念すべき節目の一日です。本校教職員一同、お子さん方の卒業・修了を心よりお祝い申し上げます。さらに、これまでの間、本校の教育や運営にご理解、ご協力をいただきましたことに改めて感謝申し上げます。
小学部を卒業するみなさん、みなさんは、この6年間、いろいろなことを勉強し、運動をし、そして、たくさん遊んだことと思います。6年前のあなた方は、漢字を読んだり算数の計算をしたりなどもまだよくできませんでした。それが、今はできるようになっています。毎日、やらなければいけないことをきちんとやっていくこと、その積み重ねがあなた方にいろいろな力をつけてくれたのです。4月から中学生になります。中学部での毎日は、小学部とは違うところもたくさんありますが、あなた方ならだいじょうぶ、きちんとやれるでしょう。どうぞがんばってください。
中学部を卒業するみなさん、3年間の中学生活はどうだったでしょうか。中学生は、自分と家族と友だちだけの世界から、世の中の仕組みや毎日のいろいろなできごとなど、自分たちがいる社会に眼が向かうようになる年代です。あなた方も、テレビや新聞でいろいろなニュースを見て、なぜ世の中はこうなっているのだろう、など、ふと疑問に感じたこともあったのではないでしょうか。親御さんや先生から説明していただいても、何となくよく分からない感じを持ったかもしれません。高校での学習は、社会を考える力をさらに養ってくれるでしょう。高校生活、自分のレベルアップを目指してがんばってください。
高等部普通科を卒業するみなさん、多くの思い出が詰まったあなた方の3年間が終わります。この3年間、いろいろなことがあったでしょう。自分自身のことを深く考えこんだり、自分でもどうしてか分からないままに気持ちがイライラしたり、友だちのことがとても気になったり、異性への関心が高まったり、そして、将来、どうなるのだろうと不安を感じたり、などなどです。高校生は思春期が終わる時期です。人生で最も多感な時期でもあります。このなんともいえないもやもやした時代を終え、あなた方は、これから自分の人生をより具体的に考える舞台に上がります。先生に言われた勉強をしていればよい時代は終わります。何事にも自発的に取り組む姿勢を忘れず、がんばっていってください。
高等部専攻科の造形芸術科、ビジネス情報科、歯科技工科を修了するみなさん、本校での学修はどうだったでしょうか。みなさんは、高校までの勉強とは違い、それぞれの専門的な分野を学んできました。専門性を学ぶということは、他の人が知らない知識を持ち、他の人ができないことができる技術を身につけるということです。専門性の学修は、みなさんに自信を与えてくれるものとなります。もしかすると、うまくできず、少し落ち込んだこともあったかもしれません。それでも、修了の今日を迎えたあなた方は、他の人たちにはない知識や技術を身につけています。どうか、やり遂げた自分に自信を持ち、これからの新しい環境でがんばっていってください。
さて、卒業あるいは修了するすべてのみなさん、昨年の3月11日に起きた東日本大震災と津波、そして原子力発電所の事故、この大災害を抜きにこれからの日本を考えることはできません。あれから1年が経ちましたが、まだ、復興どころか復旧さえ完全には行われていない状況があります。これから、私たち、そして、あなた方が社会で行うことは、どんなことであっても、例え、個人経営の小さなお店であっても、あるいは、コンビニエンス・ストアなどのアルバイトであっても、この大災害からの日本の復興にどこかで結びつきます。事故を起こした原子力発電所が完全に廃炉になったとき、つまり、原発周辺の地域で人々が普段の生活を取り戻したそのとき、この大災害からの復興事業が終わったといえるでしょう。原発の完全廃炉には30〜40年かかるといわれています。最短の30年であっても、そのとき、あなた方は、42歳、45歳、48歳、そして50代です。あなた方は、そのとき、まさしくこの日本社会の中堅としてそれぞれの分野で活躍しているのです。あなた方は、同年代の他の多くの人たちと一緒に、これからの日本を背負っていくことになるでしょう。いろいろな人たちと積極的に交流し、自分の可能性を信じて前進していってください。
震災と原発事故の影響をそれなりに受けた本校ではありましたが、今年度も、多くの方々からご指導・ご支援をいただき、1年間の活動を行うことができました。本校は、歴史的経過もあり、わが国の聴覚障害教育において先導的役割を期待されている学校です。日々の教育の中でもそうした自分たちの役割を忘れることなく、世界の聴覚障害教育の情勢を踏まえ、自己変革を忘れず、聴覚障害教育の実践と研究を発展させていきたいと考えております。
最後になりましたが、本日は、大学の代表として、附属学校教育局長 東 照雄先生にご列席をいただきました。東先生、誠にありがとうございます。さらに、ご列席賜りましたご来賓の皆様方に厚くお礼申し上げます。これからも本校の教育にご支援をいただきますとともに、在校生、卒業生への温かいご指導を賜りますようお願い申し上げます。
卒業生、修了生のみなさん、あなた方の前に広がる未来を祝して、校長としての式辞とさせていただきます。
平成24年3月15日
筑波大学附属聴覚特別支援学校長 宮本 信也
2012/03/16〜