筑波大学との連携研究報告会

筑波大学学生と本校教員が、主に本校を研究のフィールドにして行った今年度の調査研究、学術研究、実践研究を報告し、併せて大学と附属学校の研究協力を推進する「附属聴覚特別支援学校と大学との連携による研究報告会」が、平成21年3月5日(木)に本校歯科技工科4階会議室で開催されました。7件の研究発表は、発表時間が12分、質疑3分で行われ、活発な討議がありました。以下に、7本の研究を総括します。

澤田真喜子さんの「聾学校幼稚部における口声模倣を用いた言語指導の実態に関する研究−質問紙調査と事例の検討を通して−」は、聴覚障害児教育における口声模倣のあり方を振り返るきっかけになる資料になると思われました。

館山千絵さんの「聴覚障害幼児における相互作用の発達的特徴に関する研究−母親とのコミュニケーションと遊びの分析を通して−」は、母親の関わり方を独自の指標で分析したもので、今後はコミュニケーションや遊びが、具体的にどのような面が出てくれば次の発達段階に移行できるのか、そのために外せない条件は何かなどの追求がなされると面白いと思いました。

茂木友成さんの「重度聴覚障害児における濁点の書き誤り」は、文字表記の力と発音技能と言語力が相互に関連しているということが改めてわかる資料でした。

都丸佳美さんの「聴覚障害児童生徒の作文の発達的特徴に関する研究−伝達文と感想文との対比を通して−」は、作文を分析した結果、伝達文は接続詞、感想文は副詞がキーワードになっていることを示したもので、学校で子ども達に作文を書かせるときの視点を提供したのではないかと受けとりました。どういう作文を誰に対して書くかということも重要な扱いなのでは、など考えさせられました。

佐藤容子先生の「小学部低学年段階の児童における教科学習(国語)の中でことばを育てる指導についての一考察」は、特定の児童に即してことばの力をつけるための一斉と個別での扱いの具体的なヒントを見つけることができる資料を教育の現場に提出し、小学部学級担任にとって参考になる内容が多いのではないかと思いました。

荒川紘行さんの「特別支援学校(聾学校)高等部生徒の部活動に対する意識と自己効力感」は、部活の指導の役割とその工夫の実態がよくまとめられていました。この種の研究はあまり多くなく、人間関係能力の形成の一環として部活の顧問を担当する教員にはありがたい資料となります。

深江健司先生の「聴覚障害児の文章理解の特徴に関する研究−物語文理解課題における誤答の分析を通して−」は、小学部児童が低学年から高学年になる間に読解の仕方が変化することを、その誤り方から示しました。実態に応じた読解指導の授業の展開、手がかりの与え方へのヒントが本研究から得られると思います。

発表者には、それぞれのテーマをより広い視野から深めていく努力を期待すると同時に、実りある教育実践を行うために参考になる基礎的・実践的な研究が本校でも盛んに行われること、大学とタイアップした研究体制が確実に根を下ろしていくことを期待したいと思います。


2009/03/10〜 アクセスカウンタ

2009年のトピックスのトップページへ

トピックス全体のトップページへ

学校のトップページにもどる