本校は、補聴器等の使用によっても話声の理解が不可能か著しく困難な障害がある幼児児童生徒に、その障害による困難を改善・克服するために必要な知識・技能・態度を授け、幼稚園・小学校・中学校・高等学校に準ずる「対応の教育」を行うことを基本方針とする。この方針のもと、一定規模の学習集団を確保し、一貫した教育に基づき、確かな日本語力・学年対応の学力・年齢相応の社会性を育み、自立した社会人の育成を教育目標とする。本校は、聴覚障害児教育の可能性の追究、実践的な研究の推進による教科指導法の専門性にかかわる事項の追究、教育実習と介護等体験実習、現職教員研修、国内外からの聴覚障害教育関係者等の参観の受け入れを通して、この教育の発展に貢献することを使命とし、その成果を全国に発信することをもって啓蒙・啓発を行う。

 3歳未満の乳幼児教育相談も担当する幼稚部は日本語の基礎力の育成、小学部は日本語力の育成をめざして児童の実態に応じた教材・教具を工夫した授業展開の実践、中学部は基礎学力の向上と生徒の学ぶ意欲を伸ばすための個に応じたきめ細かな指導、高等部普通科は習熟度別学習グループによる教科指導と、大学や専攻科への進学や就職への準備など個々の生徒の進路に応じた類型編成による教育課程による指導を行い、高等部専攻科(造形芸術科・ビジネス情報科・歯科技工科)は各専門分野の学習を通じて生徒の個性を十分に伸長させ、社会自立できる人間の育成をめざしている。また、遠方の生徒のために寄宿舎を併設し、寄宿舎指導員と舎監による生活指導を行っている。各学部は、地域の幼稚園、小・中学校、高等学校との交流や対外試合、公募展への応募などにも積極的に取り組んでいる。また国立パリ聾学校との生徒相互訪問交流を実施し、グローバル化に対応できる教育にも力を注いでいる。