聴覚障害をもつ歯科技工士のよりよい理解のために
2.聞こえの様子
聴覚障害には伝音性難聴と感音性難聴があります。歯科技工科の生徒のほとんどは感音性難聴で、音が小さく聞こえるだけではなく、途切れたり歪んだり、高音が聞き取りにくかったり低音が聞き取りにくかったりします。ですから、音を大きくするだけでは聞こえの問題は解消されません。
図1、図2に補聴器をつけたときの聞こえの様子を表してみました。
図1 伝音性難聴と感音性難聴の違い
<伝音性難聴>
小さく聞こえます
<感音性難聴>
小さく聞こえるだけでなく、途切れたり歪んだり 人によって高音が聞き取りにくかったり、低音が 聞き取りにくかったりします
図2 ある人の聞こえの様子(個人差が大きいので一例にすぎません)
本校中学部「ようこそ筑波大学附属聾学校へ」を参考にし改変しました
図3は、身の回りの音を「音の強さ」という観点からまとめたものです。
聞こえに障害のない青年期の人の聴力が0dB(デシベル:音の強さの単位)です。個人差はありますが、歯科技工科の生徒が補聴器をつけていないときに聞こえ始める音の強さは70~130dBです。つまり補聴器をつけていないとき技工作業音はほとんど聞こえていないことになります。
図3 身の回りの音の強さ
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