学校長就任のご挨拶

学校長 四日市 章

本年4月から、長く本校の校長を務められた斎藤佐和先生の後任校長として着任しました。私は、大学での勉強を終えた後、昭和54年から平成2年までの間、本校中学部数学担当として勤務させていただきました。まだ30歳と若く、聾学校でのいろいろなことを新鮮に感じました。松戸から学校までのバス道路は渋滞がひどく、特に雨の日などは大変でした。そんなわけで、松戸から聾学校までバイクで通いました。何回か転んだりして痛い目にも遭いましたが、大きな事故にも遭わず11年間通勤できたことはとても運が良かったと思います。実践経験もなく聾学校に入り、授業や行事・部活を初めとする教育の基礎的なこと、生活指導などについて、学部を超えた多くの教員の方々からたくさんのことを教わりました。舎監として宿直勤務をしたことも得難い経験でした。また、担任した生徒を初め、多くの子どもたちや保護者の方々からも、陰に日向に支えていただきながら、さまざまなことを学びました。この学校で学んだことは、その後、大学で聴覚障害についてさらに学ぶときの基礎となり、研究や聾学校の教員を目指す学生の教育、また現職教育に携わる中で大きな糧となりました。聴覚障害はなかなか分かりにくい障害であり、深く学ぼうとすればするほど、子どもたちとの直接的な接点が重要になると考えています。

今回、縁あって再びこの学校に戻る機会を与えられました。聾学校や大学での経験を生かして、本校の先生方や子どもたちが、それぞれ力を発揮できるよう、またその総合として附属聾学校が発展していくことに少しでも役立てれば幸いであると考えています。

聾教育やそれを取り巻く環境は、歴史的に見ても変化を続けてきました。このことは、この教育が、人びとの努力によってそれだけ変わりうるものであることを示しているとも考えられます。現代の聾教育でも、さまざまな理念が主張されていますが、いつの時代にあっても、親や教員が個々の子どもを見つめ、その将来を見据えるなかで、その子どもにとって何が必要なのか、そのために今何ができるのかをじっくり考え、ていねいに実践していくのが聾教育の基本ではないかと思っています。また教育は、子ども本人、保護者、教員の間の信頼があって初めてうまく行くのではないかと思っています。これからも強力なご支援をよろしくお願い致します。

筑波大学附属聾学校
『PTAだより・平成18年6月26日発行』より


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