高等部普通科

エッセイコンテストESSAY

日本福祉大学第15回高校生福祉文化賞エッセイコンテストの第1分野「ひと・まち・暮らしのなかで」において、本校の生徒が表彰されました!


今回のコンテストの応募数は全国から9204人。その中で第1分野から第4分野に分かれ、それぞれ4人が受賞します。第1分野は応募数が3725人と最も多く、その中で渡会さんは見事4人のうちの1人に選ばれました。コンテスト全体のテーマは「わたしと福祉」その中で第1分野は「ひと・まち・暮らしのなかで」というテーマです。


題名「少しの手助けができること」(クリックしてください)
 (えっ、どうしたの?なになに待ってよ。)帰宅途中の電車の中で、私は焦って周りを見渡した。その日は珍しく座ることができたため夢中で読みかけの本を読んでいた。読み終えてほっとしたのも束の間、車内がガラガラになっていたのに気づき驚いた。ホームを見ると最寄駅の2駅手前であったが、電車を降りている時刻はとっくに過ぎていた。なんと、電車が止まっていたのだ。
 私には聴覚障害がある。普段は補聴器を装用し、切れ切れに聞こえてくる音(言葉ではない)と相手の口形を手掛かりに、話の流れから内容を類推しながら会話をしている。そんな私が苦手なこと、それは騒がしい場所での会話と、電話や車内放送などの音声情報のみの聞き取りだ。
 どうやら事故が起きたらしい。車内放送を聞いた大部分の人は、振替輸送を利用するために電車を降りていた。ところが私は事故があった事も気づかず、状況が全くつかめなかったため、次の行動を判断できず途方に暮れた。(よし!)持っていた携帯に文字を入力し、少し離れたところに座っていた女性に見せた。「すみません。わたしは耳が聞こえません。何があったのか教えていただけますか?」その女性は深くうなずくと、すぐに車内放送の内容を携帯に打ち込んでくれた。そして、口をはっきり開けて少しゆっくり目に、どこまで行くのか尋ねてきてくれた。
 「障害は不便だが不幸ではない」という言葉を聞いたことがあるが、今回のように少しの手助けでぐんと暮らしやすくなる。現在大学進学に向け情報を収集しているが、支援体制を整えている大学が増えてきていて嬉しく思う。ただ、支援を当たり前のことと思い権利として主張するのは間違っている。我々障害を持った当事者が積極的に現状を伝え、必要な支援、不必要な支援について一緒に考えていく事により、障害者も健常者も共に暮らしやすい社会が築けると思っている。